【祝20周年】ヘテムルとオモコロがともに歩んだ20年を編集部と振り返る
Webメディア「オモコロ」は、2005年10月の更新開始以来、同年にサービスを開始したクリエイター向けレンタルサーバー「ヘテムル」をご利用いただき、今年でともに20周年を迎えました。今回は、オモコロを運営する株式会社バーグハンバーグバーグのみなさんに、ヘテムルと歩んだ20年の思い出や裏話をお話していただきました。
世界に「オモロの灯」をともす使命から始まったオモコロ
お話を伺ったのは、オモコロ編集長の原宿さん、副編集長のみくのしんさん、デザイナーのモチナガさん、古参ライターの山口さんです。
── この度は、20周年おめでとうございます。20年前、僕は小学生で当時の空気感を知らないのですが、オモコロはどんなふうに始まったのでしょうか?
今回は原宿さんがメインで答える、でいいですか?
わかりました、すべて答えます。すべてわかると思います。
頼りになるわ。
えー、オモコロは、世界にオモロの灯をともすことを使命として始まりました。
そうなの?
笑いは、心を豊かにします。
誰か本当のことを言ったほうがいいって。
2000年代初頭に流行ったテキストサイトの管理人が集まってできたのがオモコロです。
最初はJUGEMブログ(※)を使っていましたっけ?
コンテンツはJUGEMで、トップページはヘテムルを使っていたね。
その後、2014年に更新環境を統合するためにWordPressを導入して、現在に至ります。
(※)GMOペパボが2021年3月まで運営していたブログサービス
時代とともに変わる「笑いのかたち」
── 2010年には会社化されていますが、現在の業務内容について教えてください。
毎朝「オモロの灯をともし続ける灯台でありたい」というスローガンを大声で復唱してから仕事をしているという状態です。
やってねえよ!
── 事前にいただいた資料には「Webメディア、YouTubeチャンネル、イベント、グッズなど多岐にわたる」と書かれているのですが…。
それでよければ、それで大丈夫です。
── それらを通して、世界に灯をともす活動をされているということでしょうか?
はい。テキストサイトやブログ、YouTubeチャンネルと、時代の変遷と共に変わってきた「笑いのかたち」というものに、柔軟に対応してきました。
それによって、今この瞬間も世界に感動と笑い、いわゆる「ワハハ」を届けている。そんな粋な会社なのかなと思っています。
── ありがとうございます。
こちらこそです。
── 先ほど、JUGEMからWordPressに移行したというお話がありましたが、SEO的な目的もあったのでしょうか?
SEOに関しては、何もしていなかったですね。
SEO的にもそんなに悪くはなかったと思うけどね。
当時から何もやってなかったんだ。
やろうとしたこともあったけど、面倒くさくて。
バーグって面倒くさいのが苦手な人、多いですよね。
あとは、そういう検索サイトのハックで作る笑いって、どうなんだろうということですよね。それは、俺たちが信じる「オモロ」なんだろうか?という気持ちがありました。
原宿さん。そこから引き返すなら今よ?
当時はTwitter(現:X)からの流入が大きかったですね。はてなブックマークで注目を集めるとホットエントリーに載って優遇される仕組みがあったので、それを狙おうという意識はあったかな。
オモコロに入りたてのころによく言われたな。50でしたっけ?
そうね。50〜60くらいブックマークがつくとホットエントリーに載って流入が増えるんですよ。
── Twitterやはてなブックマークが主な流入元だったのは、いつごろのお話ですか?
2010年ごろですかね。LP(ランディングページ)の制作も、おもしろいサイトを作れば人が集まるという感覚でやっていたので。
── 僕はそのころ秋田で高校生をしていて、映画「モテキ」の劇中でTwitterを知って、IT企業に憧れていました。個人的にその時代のエピソードを聞かせていただきたいです!
僕の入社が2016年だから、かなり前だよね。LPやサイトの制作が多かった?
そうですね。「モテキ」ならぬ「イケキ」をやったのもそのころかな。当時の長島さんは個人でバーグにLPやイベントを発注してましたね。
すごすぎない?
あとは、LINEスタンプとかね。
そうそう、地獄のミサワのLINEスタンプはスタンプの利用回数が世界5位になりましたね。日本人が使いまくったっていうのが大きいとは思うんですけど、ミサワにとっても飛躍の年でした。
── えっ!?ミサワさんって、オモコロ出身なんですか?
オモコロの創設メンバーです。
そうなんですよ。
その流れで、今もバーグハンバーグバーグがマネジメントに入っています。
── 恥ずかしながら、知りませんでした。
「食べるラー油」もうちが作っているんですよ。
そういえばそうかも。
── えっ!?そうなんですか?
すみません、嘘です。
すごい空気になっちゃったじゃん。
── 信じてしまいました…。
嘘を嘘と見抜けないとインターネットは難しいからね。
こういうことは言ったもの勝ちなので、これからも偽史を紡いでいこうかなと。
じゃんけんで大揉めするオモコロ会議
── 当時、オモコロには何名ぐらいのライターさんが所属されてたんですか?
30人ぐらい?
数としてはそれぐらいいたけど、中心として運営していたのは、10数人ほどになるんでしょうね。
── その人数で、当時から毎日更新だったんですか?
開始当初は不定期更新だったけど、どこかのタイミングで平日毎日更新になって…という感じだったかな。
── 毎日更新って大変ですよね。ネタが尽きないのがすごいです。
いや、もう尽きてますよ、とっくに。とっくに尽きてるけど、尽きてからも意外といけるなという感じです。
尽きた後の、雑巾を絞った一滴みたいのがめちゃくちゃよかったりするんですよね。
意外と絞れるんです。人って締め切りがあるとゼロからでも何か書けるもので、20年そんなふうにやってきました。
── すごいですね。でも、苦しくないんですか?
痛みは、感じなくなりました。
そんなことないって、痛いって。
まったく、感じないですね。
すごい格好つけるじゃん。
── オモコロ会議って、普段はどんなことを話しているんですか?
スケジュール確認とか、祝日の特集記事を誰が担当するかとか。たまにクイズの記事が出るんですけど、あれはだいたい記事が足りない祝日に編集部のメンバーが書いています。
誰がその記事を書くかで揉めて、大声でじゃんけんをしてますね。
遠くから「ざまあみろ!」とか聞こえてくるのは、じゃんけんの声なの?
そうです。冬の日に原宿さんがセーターの袖で手を隠してじゃんけんをして、みんながパーを出した後に袖からチョキを出したときは、15分くらい大揉めしましたね。
あれは、本当に最初からチョキだったんだって。
負けたやつが「あいこだったかもしれないのに、次の勝負に進みたくない」って言って。
そんな嘘をついてもしょうがないってずっと言ってたのに。セーターの中でじゃんけんの手を変えるような人間だと思われたのは心外だわ。
じゃんけんをするときは、疑われるようなことをしちゃダメなんですって。…こんな話しかしてないですよ。
そうですね。記事をとにかく書きたくないんで、どうにか誰かに押し付けられないかってことばっかり考えてます。
── 痛みは感じないということでしたが、これはきつかったというエピソードはありますか?
パッとは出てこないけど、全身を塗る仕事が多かったので、塗料を落とす場所には困りました。会社の水道で洗いながら、「こんなところで何をしているんだろう」と正気に戻る瞬間はありましたね。
確かに、めちゃめちゃ塗ってたな。
でも、その過程で「朱肉は肌へのノリがいい」という学びを得たりとか。
アクリル絵の具はダメなんですよね。
アクリル絵の具は塗りやすいんだけど、ムラがすごくて。乾くとひび割れちゃうんだよね。
オモコロの記事って、変なことばっかりしてるから、それだけの職人になっちゃう瞬間がありますよね。最近だと、「氷の靴を履いて漫才をする」っていうネタのために、みんなでいろんな知恵を振り絞って氷の靴を完成させたけど、二度と作ることはないみたいな。こういうのって、オモコロならではだと思います。
誰もマニュアル化しないしね。
砂のように消えていく存在なんでしょうね、オモコロというのは。JUGEMのころのアーカイブも、残っていないものがありますよね。昔のテキストサイトとかもそうだけど。
それで言うと、サーバーの閉鎖で消える予定だった「侍魂」を「ロリポップ!」が引き受けたニュースはよかったですね。
あれは素晴らしいです。ネットのレガシーを会社として残していく姿勢ね。
めちゃくちゃいいことです。
── ありがとうございます。ロリポップ!の担当者もテキストサイト文化が好きなので、このお話を伝えたらきっと喜ぶと思います。
やっぱり、個人だとサーバーをどうしたらいいかわからないことってあるので、テキストサイトを文化遺産として保護する活動はこれからも続けてほしいですね。
heteml MAXはインターネットのお笑いを支える大黒柱
あとは、デイリーポータルZもオモコロと同じ「heteml MAX」の環境で稼働しているよね。
heteml MAXはインターネットのお笑いを支える大黒柱ですよ。
そういえば全然、ヘテムルの話をしてないね。
本当だ。
脱線じゃなくて、ずっとしてない。
そもそも、heteml MAXに変えたのって、ファイルが多すぎたんですよね?
そうですね。ヘテムルはファイル数の上限が100万個で、オモコロって20年やってるので、めちゃくちゃファイル数が多いんですよ。記事一覧用のサムネイルが自動生成されたり、キャッシュファイルもたくさんあるので、100万個を超えたんですよね。
それで、別会社への引っ越しも検討したんですけど、表示や操作が重くて全然ダメでした。結局、スペック的にはよさそうでも、実際にどれだけ耐えられるかは、使ってみないとわからない。
数字だけじゃわからないですよね。ちょうどそのときに、マネージド専用サーバーのheteml MAXを提供開始するというお話をいただいて、GMOペパボのエンジニアさんの協力のもと変えたんですよ。
── 今のところ問題なくご利用いただけていますか?
おかげさまで、すごく助かっています。
── そう言っていただけると嬉しいです。最後に、今後の展望について教えてください。
やっぱり、「世界を笑かしに行きたいんや!」という気持ちですよね。日本のネットの「オモロ」は世界に通ずるという信念をもって、今この瞬間も記事を作っていますので。
どうにかこれをアジア、オセアニア、ヨーロッパ、アメリカへと広げて、すべての人類をひとつにする、それが僕たちが信じる笑いなんじゃないかという思いです。
「笑おうぜ!」と。世界に大声で言っていきたいですね。
原宿さん、今日何も考えないで話してるよね。
常に何も考えてないんですけど、だからこそ生き残ったのかもしれないですね。
例えば、スマホが登場したときも、何も考えていないからこそ「あ、こんなの出たんだ」ってふわっと合わせていって、気がついたら完全に人々の生活様式が変わっていましたよね。これからも、特に展望などは抱かず、自分にできることだけやっていこうっていう感じです。
── ありがとうございます。Xからの流入は減少しているとも言われますが、現在はYouTubeなどにも取り組まれていますもんね。「世界にオモロの灯をともす」という原点は変わらないということでしょうか?
そうですね。人が観るものは変わっても、笑いというものの真価は変わらない。だから、メディアとしてのかたちは変わっても、人の笑顔を願う気持ちは変わらない。
記事から動画、動画から何になっても、オモコロが打ち立てたオモロの灯は世界にともり続けるのではないかなと。それをみんなで、守っていこうっていう気持ちです。
原宿さんは変わらんなあ。
ここまで来ると、なんか嬉しいっすわ。
── みなさんがオモロの灯を燃やし続けられるように、これからも陰で薪をくべさせていただければと思います。今日は貴重なお話をありがとうございました!
heteml MAXのご紹介
GMOペパボ株式会社が運営する「heteml MAX(ヘテムルマックス)」は、国内最高水準のスペックで提供するマネージド専用サーバーです。ひとつのサーバーを専有できるため、共用サーバーでスペック不足や機能不足を感じている方は安心してご利用いただけます。